ステイル=マグヌス氏の魔法使いとしての技量についてです。
公式やWikipediaなどにはもっと詳解したものが載っているかもしれませんが、ライトノベル版は相当先に進んでいるので、興を殺がないために僕は読まない方向で行きます。
「巨人に苦痛の贈り物」「吸血殺しの紅十字」「イノケンティウス」。見たところ、どれも威力的には十二分で、暗殺用途以上の能力を持っているといえます。
「巨人に苦痛の贈り物」は、あまりステイルさんが使わないので詳しくはわからないのですが、もしかしたら呪文詠唱なしに発している魔法がそれなのかもしれません。だとすると、恐ろしく瞬発力のある技といえます。
「吸血殺しの紅十字」ステイルさんの得意技の一つですね。大抵は聞き取れるほどの大音声で呪文を詠唱するので、威力は高いのでしょう。特に「十字」ですから、十字教の彼にとっては特別な意味があると思います。火力以外に特別な効果がありそうです。しかも、「吸血殺し」ですから、いろいろとこのシリーズの暗部に触れそうな勢いを感じますね・・・もしかすると、ストーリー展開の一つとして大きな意味を持った魔法だったのかもしれません。必殺技としての見栄えもよいので、登場する機会が多いです。
「イノケンティウス」は、実在した教皇との繋がりを思わせる魔法です。ステイルさん曰く「必ず殺す」という意味を持っているそうですが、僕は「無垢(innocent)」との関連が気になりますね・・・。3000度の炎の塊ということで、上条宅の表札やドアノブが瞬く間に溶解して行く演出がされますが・・・ドアがなぜか影響を受けていませんね。もちろんドアノブが溶けたので、上条さんは修理するまで家に入れなかったと思われます。後は、これほどの熱源なのでコンクリートも赤熱すると思われます。上条さんはその3000度の炎の塊の脇をすり抜けていかれますが・・・幻想殺し使っていたんでしょうね。靴もきっといいものを履いていると思います、安手のゴム底では、異臭とともに燃え上がりますから・・・
総じて、炎を発する魔法を得意としている様が見て取れます。後に回復魔術を「専門外だ」「二度とあんな術式は使いたくない」と嫌悪感を露にしていますが、どうもこのシリーズの魔法には明確な「区分」のようなものがあるようですね。学派や地域的な偏差はあるものなのですが、特にネセサリウスのような部門に於いては、多種多様な魔法を扱えるほうが理想的かと思うのですが・・・特に戦闘の機会の多い場面では回復魔術は必須のように感じます。意図的に排除しているのでしょうね。とにかく登場キャラクタの多いシリーズですから・・・。
ステイルさんに関しても、属性を炎に限定する理由は、特に見当たりません。敵の手段に応じて使い分ける、といった術式選び、魔法の多様性という側面は見られないのかもしれません。すると、次の話の冒頭でインデックスを誘き寄せた「土」の魔法の術者というのも気になってきますが。
因みに、彼が上条さんの居住する寮に念入りに貼り付けた「ルーン」ですが、どれを見ても同じ文字です。決定的な証拠はありませんが、このルーンはステイルさんの魔法を強化増幅するためのまじないであるように思えます。もともとはヴァイキングの使っていたおまじないのようなもので、例えば剣に「勝利のルーン」をいくつも刻んだりして使用しました。ルーン文字は確か、ケルトのドルイド僧も用いていたと思います。
イノケンティウスはこのルーンのあるところでしか活動できません。それは魔法陣のような明確な領域分けではなく、単純にイノケンティウス自体を保つための増幅器がない場所では肉体を維持できないのでしょう。また、上条さんは右手でそのルーンの一つを引っぺがしていました。これが魔法陣のような繊細なものであったなら、その時点で魔法は崩壊するはずです。一つ剥がした程度でビクともしないのは、これが「勝利のルーン」の重ね書きのような増幅器の役割を担っているからだと思われます。
ですが、まぁ、20~30年先の科学技術の学園都市で、水溶性インクというのは・・・どうなのでしょうね・・・それと、ステイルさんの魔法で直接消火設備が働かなかったのも、気になるところですね。あらかじめ停止しておいたのでしょうか。それよりも、スプリンクラーが水を噴いてるのに、寮の住人は微動だにしていないようです・・・。特に、隣部屋の土御門さん・・・
話を戻しまして、イノケンティウス、燃える以外にはそれほど能力は無いようですね。なにやら赤熱した鉄の棒のようなものを投げてきましたが・・・どうも寮自体を破壊する力は持っていないようですし。しかし、上条さんの位置からすると、その鉄塊、相当熱そうですが・・・まぁ、熱というものは作画で表現しづらいですしね。ただ、あまり甘く見るのは辞めたほうがいいと思います・・・
また、ステイルさん、イノケンティウス召喚中はほとんど魔法を使いません。口頭で指示を出しているところを見ると、イノケンティウス自身にも自我があるようです。同時に、命令に魔法は必要ないようです。所謂自動制御という奴ですね。ただ、その間魔法を使わないところを見ると、イノケンティウスの肉体の維持をしているように見えます。召喚法というものにもいろいろバリエーションがあるのですが、異世界から何かを呼び出すのではなく、魔法で構築したものを依代として降霊を行っているようですね。
そういえば、「人払いのルーン」というのも妙な表現です。相変わらず、貼り付けてあるのはルーン文字一文字限りですし、確かルーンに「人払い」というものはなかったかと思います。ルーン文字で魔法を形作ったり、魔法陣にルーン文字が描かれることはありますが。パッと見てわかるものなので、ルーンについて調べてから出直したいと思います。みなさんも、興味がわいたならお調べになってみてはどうでしょう?
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