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とある蛇足の思考実験(ゲダンケン)

思考実験(gedankenexperiment)。テレビ放映された「とある」シリーズをベースにあれやこれやといろいろと妄想を膨らませてみるBlog。

   

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実現しちゃったSFの夢

 レールガンシリーズもあることだし、書くのは後回しにしようと思っていた御坂さんですが、ちょこちょこ書いていこうかと思います。

とりあえず、「レールガン」について。

電気の性質の一つを利用して、伝導体を射出するという、火薬を使用しない銃砲のことで、原理自体は第一次世界大戦の頃にはもう登場していました。利用する のはローレンツ力というものですが、ちと身近ではないので興味のある方はお調べください。ひとまずは電磁力で金属などを吹っ飛ばす、と思っていただければ OKです。
「原理自体は~登場していた」というのは、やり方はわかっていても、電力を確保できなかったということです。第二次世界大戦の頃の日 本でも研究されていましたが、砲台一個につき発電所が2つ必要、などという試算まであったそうです。そのため、長らくSFのネタとしてしか扱われていませ んでした。(また、そのため誤用や誤解が多いです)
恐らく、原作のライトノベルが執筆された当時も、そういった位置づけであったのではないかと推察します。というのは、実は作れるようになった、というか、実装も遠くなさげな昨今になってしまったのです。

そのため、「とある」シリーズの「レールガン」も、ちょっと困ったことになっています。
結論から言ってしまうと、御坂の「レールガン」は、厳密にはレールガンではありません。

とりあえず、その原因の一つに、作画上の不都合を挙げてみることにします。
レールガンは、発射装置にプラズマが残るのですが、軌跡は残りません。基本的に銃と同じような代物なので、見た目のインパクトに欠けます。主人公が使う必殺技としては、若干難があるのです。
この事情は、「レールガン」シリーズで確認することも出来ます。

第1話時点での御坂の口上は間違っていません。原理をわかりやすく説明していると思います。
ただ、「超電磁砲」とは呼ばないです。電磁投射砲とでもいうのが正しい。

では、御坂のレールガンはデタラメか?
そんなことはありません。
恐らく、彼女は「プラズマサーマルガン」を撃っているのだと思われます。

サーマルガンというのは、火薬の代わりにプラズマ膨張圧を利用する銃のことで、要約すると、弾体を何らかの形で溶かし、溶けたプラズマの圧力で弾体を跳ね飛ばすものということになります。
レールガンもまた、弾体に電流を流し、多くの場合その一部が溶けてプラズマになります。なので、副次的に発生したプラズマの圧力も弾体の推進力に上乗せするレールガンもあります。

ではなぜレールガンと言えないのか?

その答えの一つは、軌跡にあります。レールガンの弾体には軌跡はつきません。恐らく、彼女はあの軌跡の横すべてに「レール」を配していると思われます。つまり、あれは射出した後のプラズマではなく、いわゆる「砲身」の内部を見ているのだと推測します。
そしてもう一つ重要な点、彼女の「レールガン」は、弾体が着弾する様子がありません。
つまり、弾を飛ばしていないのです。
これは決定的で、レールガンの設計構想から大いに逸脱します。
では、あれはどういう攻撃なのか?
僕の出した結論は、「プラズマそのものを当てている」のではないか、つまりプラズマ砲だろうということになります。

ということは、そもそも御坂は、弾体をすべて溶かしきるつもりでレールに電力を与えていることになります。
力み過ぎです。
プラズマを投射するのも一つの手段ですが、何より酷く拡散し、温度も運動エネルギーも封じ込めておくことが難しいです。というより、御坂の超電磁砲は砲身の中で弾体(?)が蒸発していることになります。
砲身の中ということなら、プラズマは(理由はわかりませんが)拡散しませんし、質量もそのままですから、攻撃力を持つことが出来ます。

ですが、もう一つ拙いこともあります。
御坂が本当にレールガンを撃ってしまうと、学園都市の立場が危うくなります。
駆逐艦ズムウォルトに搭載する予定の現実世界のレールガン(むしろレールキャノン)は、400km程度の射程を持ちます。実に東京-大阪間くらいは飛びます。
恐らく電源と装置自体の大きさなどの兼ね合いなのでしょうが、まさにこれは戦術兵器です。現実に、レールキャノンに対する政治的な反応なども見られ、これを開発することは即ち軍事的な意味合いをもつのです。
空中に易々と放電できるほどの発電力を持つ御坂さんですから、弾体と発電力を調整すれば相当の射程を持つレールガンになり得ます。
更に、レールガンの装置自体が人体なので、ミサイル迎撃から対空砲、日本周辺の海軍力への狙撃、また、暗殺にも非常に都合がいいことになります。
無論、レベル5である時点で相当な危険度を持つのは明らかなのですが、レールガンなどというわかり易い形でその軍事的存在感を表現してしまうと、御坂さん一人のために学園都市が軍事拠点と捉えられかねないのです。

恐らくは、そのためにわざと力加減をさせず、弾体を砲身内で丸ごとプラズマ化させるという撃ち方しか教えていないのでしょう。発電力をもっと落とせば、完全なレールガンになるわけですから、学園都市としては「今のところそれでOK」なのだと思われます。
発電力と基本は出来ているのですから、後は射撃の正確性を高めようといったところでしょうか。システムスキャンのときも、なぜかプールに向けて撃っていましたからね。隠蔽する気満々と見受けられます。

以上です。
超電磁砲こと御坂美琴さんが撃っているものは現時点では「プラズマサーマルガン」ではないかという話でした。
果たして、彼女が本当にレールガンを撃つ日はやってくるのか。
不安なようで楽しみでもあります。
不謹慎でした。

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自己紹介:
 精神毒(Platonic-Poison)。神経毒ではありませんからご心配なく。勿論ただのハンドルネームなので、思いつきで変えるかも。
 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」「とある魔術の禁書目録(インデックス)II」について書くつもりです。「とある科学の超電磁砲(レールガン)」についても触れるつもりですが、どこまで書くのかはわかりません。
 アニメ版限定でお送りします。ライトノベルや他のメディアミックス関連には触れないつもりです。また、極力他サイトの情報は(アニメ版より早く知るとつまらないので)読まない方針です。
 ちなみに、フィギュアは要らない派です。

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