第一話から顔を見せ、上条さんに「魔法の何たるか」を教える形となった神父さん。しかも、敵対姿勢を以って。彼はかなり重要な人物です。魔法使いたちの、表現上の典型として。
咥えタバコは、恐らくキャラクタデザイン上で「炎」の日常的でどこか退廃的なイメージを決定付けるものとして重要です。ある意味、それだけでステイルさんを表現することが可能なくらい。
神父の格好をしていながら、赤髪、バーコード、ピアスという出たちは、明らかに神父のイメージを逸脱するための仰々しいまでの演出ですね。物語上では、ステイルさんの生臭エピソードは出てきません。それなのに、彼が神父らしくない印象を持てるのは、これらのくどいまでの装飾品のおかげです。
タバコを咥えた神父さんだけでは、宗教色が濃くなりすぎです。赤毛にしても、他のアクセサリがなければ、そういうものなのかな、で終わってしまいます。バーコード単体では、ミステリアスなだけで終わりそうです。そこで止めのピアスです。
バーコードは、恐らく「神父ではなく魔法使い」といった意味を持たせているのだと思います。一向にそれに触れる逸話が登場しませんが、もしかしたら何かサイドストーリーがあるのかもしれませんね。楽しみです。
ですが、少々服装のおかげで、彼のクールでドライだけど根はいい奴で優男という性格が霞みがちですね・・・その辺は、ストーリーでだいぶん語られていくのでいいのですが。
登場時点では彼もかなり動揺していますね・・・自嘲が過ぎてヒールに回らんばかりに。「回収」を「保護」とわざとらしく言い直してみたり。
ただ、ステイルさんの上条さんに対する、過剰なまでの対抗心は、仕方ないと言えますね。
ほとんど神裂さんに代弁されてしまっていますが、ステイルさん自身も、こんな遣り方本当は・・・ものすごく、反発したい。でも、あえて火を呑む思いで従っている。そしてその行動に対する醒めた見方までしています。
その上、ステイルさんにとってインデックスは思い人です。今日会ったばかりの上条さんが馴れ馴れしくしていること自体が気に障るはず。
まさに、通りすがりの幻想殺しがすべてを解決してしまうのですから、その心情は。
同時に、それが最良の選択と言わざるを得ないことも、彼はわかっているのでしょう。けれど、その理性と、彼の感情は、相容れない・・・
上条さんに突っかかっていけるのは、むしろ彼にとって救いであるといえます。
仲良く喧嘩していてほしいものです。
彼の実力についてはまた改めて書くことにします。
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