登場人物各人が「斬った」と表現するインデックスの怪我ですが、これは恐らく斬ったものではないでしょう。
確かに大変な大怪我なのですが、神裂が本気を出して斬ったとしたら、間違いなく常人なら即死のはずです。インデックスはほぼ常人と同等の肉体をしているわけですから、出血だけでどうこうという背中の傷になるわけがないです。腹部ならまだしも、薄皮一枚で背骨に到達してしまう背中です。むしろ、「碌に斬っていない」とでも言うべき怪我の程度になります。
もちろん、神裂は「歩く教会」を「攻撃」したはずですから、インデックスを斬り裂く動作はしていないでしょう。そもそも「歩く教会」には斬撃は通用しないのですから、「斬る」動作は必要ありません。要は、足止めに殴打すればいいわけです。動作的には斬る動作のほうが何倍も難しく、殴打であるならば刃の向きすらあまり問われません。まぁ、日本刀を使い回す以上、斬撃の訓練は相当積んでいるはずで、最も自然な動作が斬撃であるのは言うまでも無いでしょう。ですが、この場合は「人を斬った」わけでなく、「歩く教会」に攻撃を叩き付けた、というべきです。
「人斬り」というのは相当難しいもので、狙いが数センチずれただけで狙い通りには斬れません。この場合も、神裂の刀は斬撃として成立する構図には至らず、込めた力はともかくとして、日本刀の刃でインデックスを「殴打した」結果になったはずです。無論、鋭い刃はインデックスの背中を切り裂いたでしょう。ですが、斬り裂いたのではなく、あくまで、切り裂いた、です。
それならば、あの怪我は納得できます。
恐らく、神裂のことですから、インデックスを傷つけたことで相当ショックを受けたはず。その証に、「「歩く教会」を破壊した何者かが存在する」ことが判明しても猶、ステイル一人であの場所へ戻っています。恐らくステイルのことですから気を利かせたのでしょう。
そんな彼らですから、自虐の意味で「斬った」などと言ったのではないでしょうか。哀しいものです。ステイルも若干動揺している節が見えますし・・・無理は無いですが。
何せ、インデックスを奪回した後に待っているのは、あの呪わしい記憶消滅作業なのですから。
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